イベントテントの張り方と安全な設営手順を解説

運動会や地域のお祭り、企業イベントなど、屋外行事に欠かせないのがイベントテントです。
「テントの張り方がわからない」「説明書を見ても手順が複雑そう」と感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、イベントテントの設営は正しい手順とコツを知っていれば、初めての方でもスムーズに組み立てられます。
この記事では、パイプ式テントとワンタッチ式テントの両方について、張り方の基本手順から安全対策、片付け方法まで詳しく解説します。
必要な人数や作業時間の目安、よくあるトラブルの防止策なども紹介していますので、イベントテントの設営を控えている方はぜひ参考にしてください。
正しい張り方をマスターして、安全で快適なイベント空間を作りましょう。
イベントテントの基礎知識

イベントテントを正しく張るためには、まずテントの種類や構造を理解しておくことが大切です。
テントのタイプによって組み立て方が大きく異なるため、自分が使用するテントの特徴を把握しておきましょう。
ここでは、イベントテントの基本的な知識について解説します。
イベントテントの種類と構造
イベントテントは大きく分けて**「パイプ組み立て式テント」と「ワンタッチテント」**の2種類があります。
それぞれ構造が異なるため、設営方法や必要な人数、作業時間にも違いが生じます。
パイプ組み立て式テントは、複数のパイプを順番に連結してフレームを組み立て、その上に天幕をかぶせるタイプです。
学校の運動会や自治体のイベントなど、長期間にわたって使用する場面で多く採用されています。
構造がシンプルなため耐久性に優れており、適切なメンテナンスを行えば何十年も使い続けることができます。
一方、ワンタッチテントはフレームが一体化しており、広げるだけで骨組みが完成するタイプです。
設営時間が短く、少人数でも組み立てられることから、頻繁にテントを移動させるイベントや、人手が限られる場面で重宝されています。
近年は軽量なアルミ製フレームを採用した製品も増えており、女性だけでの設営も可能になっています。
パイプ式とワンタッチ式の特徴
パイプ式テントとワンタッチ式テントには、それぞれメリットとデメリットがあります。
用途や状況に応じて適切なタイプを選ぶことが、スムーズな設営につながります。
| 項目 | パイプ式テント | ワンタッチテント |
|---|---|---|
| 設営時間 | 20〜40分程度 | 1〜10分程度 |
| 必要人数 | 2〜6人以上 | 2〜4人程度 |
| 耐久性 | 非常に高い | 標準的 |
| 重量 | 重い | 比較的軽い |
| 価格帯 | 高め | 手頃な製品も多い |
| 収納サイズ | 大きい | コンパクト |
| おすすめ用途 | 学校行事・大規模イベント | 展示会・マルシェ・防災 |
パイプ式テントの最大の特徴は耐久性の高さです。
鉄製のパイプで構成されているため、風や雨に強く、安定感があります。
ただし、部品点数が多いため設営に時間がかかり、複数人での作業が必要になります。
ワンタッチテントの魅力は設営の手軽さにあります。
フレームを広げて天幕をかぶせるだけなので、慣れれば2人で数分程度で組み立てられます。
ただし、パイプ式に比べると耐久性では劣るため、強風時の使用には注意が必要です。
天幕・フレーム・部品の名称
イベントテントを正しく張るためには、各部品の名称を覚えておくことが役立ちます。
説明書を読む際や、複数人で作業する際に、部品名を共有しておくとスムーズに進められます。
【パイプ式テントの主な部品名称】
- 棟(むね):テントの最も高い部分、屋根の頂点にあたるパイプ
- 桁(けた):テントの軒にあたる横方向のパイプ
- 合掌(がっしょう):屋根の傾斜を作る三角形の部分のパイプ
- 梁(はり):テントの奥行き方向をつなぐパイプ
- 柱(はしら):テントを支える縦のパイプ(角柱・中柱がある)
- 筋交い(すじかい):柱と柱を斜めにつなぎ、強度を高める部品
- 天幕(てんまく):テントの屋根部分の布
【ワンタッチテントの主な部品名称】
- フレーム:一体化した骨組み全体
- クロスバー:X字型に交差する部分
- スライダー:高さ調整時にスライドさせる部品
- 天幕:テントの屋根部分の布
- 脚台座:地面に接する部分のプレート
これらの名称を理解しておくと、組み立て手順の説明がスムーズに理解できるようになります。
張り方の前に準備すること

イベントテントの設営を成功させるためには、事前準備が欠かせません。
必要な人数や道具を確認し、設営場所の安全性をチェックしてから作業を始めましょう。
準備を怠ると、設営中の事故やテントの破損につながる恐れがあります。
必要人数と作業時間の目安
イベントテントの設営に必要な人数は、テントのタイプやサイズによって異なります。
無理に少人数で作業すると、フレームの歪みや転倒事故の原因になるため、適切な人数を確保しましょう。
【パイプ式テントの必要人数】
| テントサイズ | 柱の本数 | 必要人数 | 作業時間目安 |
|---|---|---|---|
| 1.5間×2間(小型) | 4本 | 2〜4人 | 15〜20分 |
| 2間×3間(中型) | 6本 | 3〜6人 | 20〜30分 |
| 2間×4間(大型) | 6本以上 | 4〜6人以上 | 30〜40分 |
【ワンタッチテントの必要人数】
| テントサイズ | 必要人数 | 作業時間目安 |
|---|---|---|
| 1.8m×1.8m(小型) | 1〜2人 | 1〜3分 |
| 2.4m×2.4m(中型) | 2人 | 2〜5分 |
| 3.0m×6.0m(大型) | 2〜4人 | 5〜10分 |
パイプ式テントでは、柱を立ち上げる際に各柱を1人ずつ支える形で作業を行うのが理想的です。
特に6本柱のテントでは、片側3人ずつで柱を持ち上げるため、最低でも3人は必要になります。
ワンタッチテントは構造上少人数でも設営可能ですが、安全面を考慮すると2人以上での作業が推奨されます。
設営前の安全チェック
テントの設営を始める前に、必ず安全確認を行いましょう。
設営場所の選定と天候の確認は、事故を防ぐための基本中の基本です。
周囲の障害物と地面状態を確認
テントを設営する場所は、以下の条件を満たしているか確認してください。
【設営場所のチェックポイント】
- 平らな地面であること:傾斜があるとテントが不安定になります
- 電線から十分に離れていること:感電事故の原因になります
- 火気から離れていること:テントの天幕は燃えやすい素材が多いです
- 上から物が落下する恐れがないこと:木の枝や看板などに注意
- 十分なスペースがあること:テントサイズより広いスペースを確保
特に注意が必要なのは、タイル張りやウッドデッキなど傷つきやすい場所での設営です。
このような場所では、ダンボールや毛布などで養生を行い、パイプを引きずらないように持ち上げて作業しましょう。
風速・天候リスクの確認
イベントテントは風に弱い構造であることを理解しておくことが重要です。
強風や突風によってテントが飛ばされると、重大な事故につながる恐れがあります。
【設営を控えるべき天候条件】
- 風速10m/s以上の強風が予想される場合
- 大雨や雷が予想される場合
- 突風の恐れがある不安定な天候
- 雪が降っている、または積雪の恐れがある場合
設営前に天気予報で風速や降水確率を必ず確認しましょう。
当日の天候が急変する可能性がある場合は、いつでも撤収できる体制を整えておくことが大切です。
必要な道具・パーツの確認
設営を始める前に、すべての部品が揃っているか確認しましょう。
現場で部品が足りないことに気づくと、設営作業が大幅に遅れてしまいます。
【パイプ式テント(2間×3間)の部品リスト例】
- 柱パイプ:6本(角柱4本、中柱2本)
- 棟パイプ:1〜2本
- 桁パイプ:4本
- 梁パイプ:3本
- 合掌パイプ:6本
- 筋交い:必要数
- 天幕:1枚
【ワンタッチテントの部品リスト例】
- フレーム本体:1組
- 天幕:1枚
- 固定用ロープ:必要数
- ペグ:必要数
【共通で用意しておきたい道具】
- 軍手(作業者全員分)
- ウエイト(重り)
- ハンマー(ペグ打ち用)
- 脚立(大型テントの場合)
- 取扱説明書
特に軍手は必ず着用してください。
パイプの連結作業や天幕の取り付け時に、指を挟んだり怪我をしたりする危険性があります。
パイプ式イベントテントの張り方

パイプ式テントは部品点数が多いため、一見すると複雑に感じるかもしれません。
しかし、正しい順序で組み立てれば、初めての方でも問題なく設営できます。
ここでは、パイプ式テントの張り方を手順ごとに詳しく解説します。
フレーム組立の基本手順
パイプ式テントの組み立ては、まずフレーム(骨組み)を完成させてから天幕をかぶせるという流れで進めます。
部品を正しい位置に並べることから始めましょう。
パイプの連結と固定ポイント
【手順1:桁パイプを並べる】
まず、テントを設置したい場所に桁パイプを四角く並べます。
この段階でテントの設置範囲が決まるため、位置を慎重に確認しましょう。
【手順2:柱パイプを配置する】
桁パイプに沿って柱パイプを並べます。
このとき、差し込み口の向きに注意してください。
角柱と中柱では差し込み口の数が異なります。
- 角柱(四つ角用):差し込み口が3つ
- 中柱(中央用):差し込み口が4つ
柱の丸座(地面に接する部分)が内向きになるように配置するのがポイントです。
【手順3:桁と柱を連結する】
並べた柱パイプを桁パイプの差し込み口に差し込みます。
指を挟まないように注意しながら、しっかりと奥まで差し込んでください。
この段階では、フレームを少し浮かせた状態で作業を進めます。
天井フレームの組み上げ
【手順4:合掌パイプを差し込む】
屋根の傾斜を作る合掌パイプを、柱の上部にある差し込み口に差し込みます。
効率的に組み立てるコツとして、以下の順序で作業するとスムーズです。
- 片側の合掌(3本)を先に差し込む
- 棟パイプを合掌に差し込む
- 反対側の合掌(3本)を差し込む
反対側の合掌を差し込む際は、先に棟部分とジョイントしてから柱に差し込むと組みやすくなります。
【手順5:フレームの歪みを確認する】
すべてのパイプを連結したら、フレーム全体を上から見て確認します。
フレームが歪んでいると天幕をうまくかけられないため、きれいな長方形になっているか確認しましょう。
歪みがある場合は、各パイプの差し込み具合を調整してください。
天幕の取り付け方
フレームが完成したら、次は天幕をかぶせる作業です。
天幕のかけ方によって、仕上がりの見た目や耐久性が大きく変わります。
天幕の広げ方と向きの合わせ方
【手順6:天幕を棟の上に置く】
たたんだままの天幕を、棟パイプの中央に置きます。
2人で作業する場合は、棟に沿って左右に広げていくと効率的です。
【手順7:天幕を骨組みにかぶせる】
フレームの外側に立ち、天幕を広げながら骨組みにかぶせます。
このとき、合掌の頂上(三角形の角)と天幕の三角部分をぴったり合わせることが重要です。
位置がずれていると、天幕が張りきらなかったり、シワが残ったりする原因になります。
【天幕をかぶせるコツ】
- 風がある日は、風下から風上に向かってかぶせると楽に作業できます
- 強風時は、立ち上げる前に何か所か天幕の紐を結んでおくと安全です
シワを防ぐ固定のコツ
天幕をきれいに張るためには、紐を結ぶ順序が重要です。
以下の順序で結んでいくと、バランスよく天幕を張ることができます。
- テントの横の三角形の底辺中央を最初に結ぶ
- 四つ角を結ぶ
- 残りの紐を結ぶ
天幕にたるみがなく、ピンと張った状態になっているか確認しましょう。
たるみがあると雨水が溜まりやすくなり、天幕の劣化や破損の原因になります。
立ち上げから固定までの工程
天幕をかぶせたら、いよいよテントを立ち上げます。
複数人で息を合わせて作業することが安全のポイントです。
【手順8:片側の柱を立ち上げる】
作業者が各柱に1人ずつ配置し、片側の柱を同時に持ち上げます。
「せーの」などのかけ声で息を合わせて持ち上げましょう。
【柱を持ち上げる際の注意点】
- 片手で折れ曲がる部分を下から支え、もう片手で上部をしっかり持つ
- 梁(桁フレーム)の部分を持つと、パイプが抜けて柱が落下する恐れがあるため危険
- 必ず柱部分を両手で持ち上げること
【手順9:筋交いを固定する】
柱を立ち上げたら、すぐに筋交いを穴に差し込んで引っ掛けます。
筋交いはテントの強度を保つための重要な部品です。
固定を怠ると、風でテントが転倒する危険性があります。
【手順10:反対側の柱を立ち上げる】
同様の手順で、反対側の柱も立ち上げます。
筋交いの固定も忘れずに行いましょう。
【手順11:天幕の紐を結ぶ】
天幕に付いている紐を、フレームにしっかりと結びつけます。
S字フックやゴムバンドが付いている場合は、それらを使って固定してください。
以上でパイプ式テントの設営は完了です。
ワンタッチイベントテントの張り方

ワンタッチテントは、フレームを広げるだけで骨組みが完成する便利なタイプです。
パイプ式に比べて設営が簡単ですが、正しい手順を守らないとフレームの破損につながることがあります。
フレームを広げる際の注意点
【手順1:フレームを少し持ち上げて広げ始める】
2人でフレームの角柱を掴み、少し持ち上げてから後ろに下がります。
両手を広げて動ける範囲まで広げ、フレームを地面に置きましょう。
必ず平らな地面の上で作業してください。
【手順2:クロスバーを外側に引っ張る】
両手でクロスバー部分を持ち、少しずつ外側へ引っ張ります。
この段階では完全に伸ばしきらず、半分程度まで広げておくのがポイントです。
完全に広げてしまうと、天幕をかぶせにくくなります。
【フレームを広げる際の注意点】
- 移動するパイプに手や指を挟まないよう注意する
- 急に力を入れると部品が破損する恐れがあるため、ゆっくり広げる
- フレームの各部がスムーズに動くか確認しながら作業する
天幕装着と位置合わせ
【手順3:フレームの上に天幕をかぶせる】
半分程度広げたフレームの上に、天幕をかぶせます。
天幕が均等に分散されていることを確認し、この段階では軽く覆う程度で構いません。
【手順4:天幕とフレームのマジックテープを合わせる】
フレームと天幕の四隅に付いているマジックテープを貼り合わせます。
マジックテープの位置がずれていると、天幕がきれいに張れないため、丁寧に位置を合わせましょう。
【手順5:フレームを最大まで広げる】
天幕をかぶせた状態で、クロスバーを外側に引っ張り、本体フレームを最大まで広げます。
四つ角を同時に広げるようにすると、バランスよく設営できます。
【手順6:ロックを固定する】
各柱のスライダーを「カチッ」と音がするまで押し上げます。
すべての柱でロックが確実に固定されていることを確認してください。
ロックが不完全だと、使用中にフレームが縮んでしまう恐れがあります。
高さ調整の手順
【手順7:脚の高さを調整する】
脚台座を足で踏んで抑えながら、支柱をスライドさせて高さを調整します。
多くのワンタッチテントは、5〜6段階で高さ調整が可能です。
【高さ調整のポイント】
- 支柱は平行に持ち上げてスライドさせる
- 2本ずつ平行に調整すると、バランスが取りやすい
- すべての柱の高さを揃えることで、安定性が向上する
調整リング(高さ固定用のピン)を引っ張ると、リングの固定が解除されて脚が伸びるタイプが一般的です。
使用するテントの説明書を確認して、正しい方法で高さを調整しましょう。
一人で設営する場合の注意点
ワンタッチテントは構造上、1人でも設営できる製品があります。
ただし、安全面を考慮すると2人以上での作業が推奨されます。
【1人で設営する場合のリスク】
- フレームを広げる際にバランスを崩しやすい
- 風があるとテントが煽られて制御しにくい
- 高さ調整時にテントが倒れる恐れがある
- 怪我をしても助けを求めにくい
どうしても1人で設営する必要がある場合は、以下の点に注意してください。
- 風の弱い日を選ぶ
- フレームを広げる際は、少しずつゆっくりと作業する
- 高さ調整は1本ずつ慎重に行う
- 周囲に人がいる場所で作業する(万が一の際に助けを求められるように)
設営後の仕上げと安全対策

テントを組み立てただけでは、設営は完了していません。
風対策や雨対策をしっかり行うことで、安全にテントを使用できます。
ここでは、設営後に必ず行うべき仕上げと安全対策について解説します。
風対策(ウエイト・ロープ・ペグ)
イベントテントは面積が大きいため、風の影響を非常に受けやすい構造です。
突然の強風でテントが飛ばされると、周囲の人に怪我をさせる重大な事故につながります。
【基本的な風対策】
- ウエイト(重り):各柱に20kg以上の重りを設置
- ロープ:テントとペグや重りをつなぐ
- ペグ:地面に打ち込んでロープを固定
特に重要なのはウエイトの設置です。
風はいつ吹くかわからないため、天候に関わらず設営時には必ずウエイトを置くことをおすすめします。
風速ごとの対策基準
風速に応じて、適切な対策を講じることが大切です。
| 風速 | 状況 | 対策 |
|---|---|---|
| 〜5m/s | 穏やか | 基本的なウエイト設置で対応可能 |
| 5〜10m/s | やや強い風 | ウエイト増量+ロープでの固定を強化 |
| 10〜15m/s | 強風 | 使用を控えるか、側面を開放して風を逃がす |
| 15m/s以上 | 非常に強い風 | 直ちに撤収 |
風速5m/sは、木の葉が揺れ、旗がはためく程度の風です。
風速10m/sになると、傘をさしにくくなり、歩行に影響が出始めます。
気象庁の天気予報や、現地で風速計を使って確認することをおすすめします。
強風時の撤収判断
風速10m/sを超える風が続く場合は、テントの使用を中止して撤収を検討してください。
以下のような状況が見られたら、すぐに撤収を始めましょう。
- テントがガタガタと揺れ続けている
- ウエイトが動いたり、ロープが緩んだりしている
- 周囲で物が飛んでいる
- 突風が断続的に吹いている
撤収時も安全に注意が必要です。
強風の中での作業は危険なため、風が弱まるタイミングを見計らって素早く行いましょう。
雨対策(雨樋・ひさし・水はけ)
テントの天幕に雨水が溜まると、重みで天幕が破損したり、テントが倒壊したりする恐れがあります。
雨が予想される場合は、適切な対策を講じましょう。
【雨対策のポイント】
- 天幕にたるみがないか確認:たるみがあると水が溜まりやすくなります
- 雨樋(とい)の設置:テント間をつなぐ場合は、雨樋で水を誘導
- 水はけの良い場所を選ぶ:地面がぬかるむと、柱が沈む恐れがあります
- 傾斜を付ける:片流れ型のテントは、傾斜で水が流れ落ちやすい
複数のテントを連結して使用する場合は、テント間に雨水が溜まりやすいため注意が必要です。
専用の雨樋を設置するか、テント間に隙間を空けて水が流れ落ちるようにしましょう。
最終固定チェックリスト
設営が完了したら、以下のチェックリストで最終確認を行いましょう。
【設営完了チェックリスト】
□ 天幕が破れていないか □ フレームが曲がっていないか □ 天幕にたるみがなく、ピンと張れているか □ 雨水が溜まりそうな箇所がないか □ 本体フレームの各ストッパーが固定されているか □ 筋交いが確実に引っ掛けられているか □ 天幕の紐がすべて結ばれているか □ ウエイトが各柱に設置されているか □ ロープとペグが正しく固定されているか
すべての項目にチェックが入ってから、テントの使用を開始してください。
破損・劣化を防ぐ設営のポイント
テントを長く使い続けるためには、設営時から劣化を防ぐ意識を持つことが大切です。
【設営時の注意点】
- 天幕の角部分を強く引っ張りすぎない(破れやすい箇所です)
- パイプを引きずらない(傷や変形の原因になります)
- 無理に部品を差し込まない(破損の原因になります)
- 濡れた地面に直接天幕を置かない(カビの原因になります)
丁寧に扱うことで、テントの寿命は大きく延びます。
特に天幕は消耗品なので、日頃から大切に扱いましょう。
イベントテントのトラブル対策

どれだけ注意して設営しても、トラブルが発生することがあります。
よくあるトラブルと対処法を知っておくことで、現場で慌てずに対応できます。
よくある設営ミスと防止策
【ミス1:パイプの向きを間違える】
パイプには差し込み口の位置や数に違いがあります。
向きを間違えると、フレームが正しく組み上がりません。
防止策:設営前に各パイプの差し込み口を確認し、正しい位置に並べてから組み立てを始める
【ミス2:筋交いの固定を忘れる】
筋交いはテントの強度を保つ重要な部品です。
固定を忘れると、風でテントが転倒する恐れがあります。
防止策:柱を立ち上げたら、必ず「筋交い固定」をルーチン化する
【ミス3:天幕の位置がずれている】
天幕の三角部分が合掌の頂点と合っていないと、天幕がきれいに張れません。
防止策:天幕をかぶせる際に、まず三角部分の位置を確認してから広げる
【ミス4:ウエイトを設置しない】
「今日は風がないから大丈夫」と思っても、突風はいつ吹くかわかりません。
防止策:天候に関わらず、設営時には必ずウエイトを設置する
天幕のシワ・たるみ解消方法
天幕にシワやたるみがあると、見た目が悪いだけでなく、雨水が溜まる原因にもなります。
【シワ・たるみの原因】
- フレームが歪んでいる
- 天幕の位置がずれている
- 紐の結び方が不均等
- 天幕のサイズがフレームに合っていない
【解消方法】
- フレームの歪みを確認:上から見て長方形になっているか確認し、歪みがあれば調整する
- 天幕の位置を確認:合掌の頂点と天幕の三角部分が合っているか確認する
- 紐を結び直す:一度すべての紐をほどき、正しい順序で結び直す
- 天幕を引っ張る:角部分を両手でしっかり持ち、斜め下方向に引っ張りながらフレームにかぶせる
紐を結ぶ際は、やや斜め下に引っ張るようにすると、ピンときれいに張れます。
強風で倒れない追加措置
基本的な風対策に加えて、より強固にテントを固定するための追加措置を紹介します。
【追加措置1:ウエイトの増量】
通常は各柱に20kgのウエイトを設置しますが、風が強い場合は30〜40kgに増量します。
水を入れるタイプのウエイトバッグは、現地で水を入れられるため持ち運びに便利です。
【追加措置2:ロープの追加】
テントの四隅だけでなく、中間部分にもロープを追加して固定します。
ロープはできるだけ長く取り、地面と45度程度の角度で張ると効果的です。
【追加措置3:側面の開放】
横幕を付けている場合は、風の通り道を作るために一部を開放します。
風を逃がすことで、テントにかかる負荷を軽減できます。
【追加措置4:テント同士の連結】
複数のテントを使用する場合は、テント同士をロープで連結すると安定性が増します。
ただし、1つのテントが倒れると連鎖的に倒壊する恐れもあるため、注意が必要です。
イベントテントの片付けと収納

イベントが終わったら、テントを正しく片付けて収納しましょう。
適切な収納方法を守ることで、テントの寿命を大きく延ばすことができます。
天幕の正しいたたみ方
天幕はテントの中で最も劣化しやすい部品です。
正しいたたみ方を守ることで、シワや傷みを防げます。
【天幕のたたみ方手順】
- 汚れを拭き取る:泥や砂、水滴などを布で拭き取ります
- しっかり乾燥させる:濡れたまま収納するとカビの原因になります
- 広げて平らにする:シワを伸ばしながら広げます
- 四つ折りにする:端と端を合わせて、丁寧にたたみます
- ロール状に巻く:折りジワを防ぐため、巻いて収納する方法もあります
特に重要なのは、完全に乾燥させてから収納することです。
湿気が残っているとカビが発生し、次回使用時に不快な臭いがしたり、天幕が傷んだりします。
フレームの折りたたみ手順
【パイプ式テントの収納手順】
- 筋交いを外す
- 片側ずつ柱を倒す(2人以上で作業)
- 天幕を外す
- 屋根部分(合掌・棟)を分解する
- 桁・梁を分解する
- 柱を折りたたむ
- パイプごとにまとめて紐で縛る
【ワンタッチテントの収納手順】
- 天幕を外す、またはマジックテープを剥がす
- 高さ調整を最低位置に戻す
- ロックを解除する
- クロスバーを中央に押し込み、フレームを縮める
- フレームを折りたたむ
- 収納バッグに入れる
【収納時の注意点】
- パイプを引きずらないこと(傷や変形の原因)
- 無理に力を入れないこと(破損の原因)
- 部品の数を確認すること(紛失防止)
保管時の注意点と寿命を延ばす方法
【保管場所の条件】
- 直射日光が当たらない場所:紫外線で天幕が劣化します
- 湿気が少ない場所:カビや錆の原因になります
- 風通しの良い場所:湿気がこもるのを防ぎます
- 温度変化が少ない場所:極端な温度変化は素材を傷めます
【寿命を延ばすためのメンテナンス】
- 使用後は必ず汚れを落とす:泥や砂を付けたまま収納しない
- 定期的に広げて乾燥させる:長期保管中も湿気を逃がす
- フレームの錆をチェックする:錆が見つかったら早めに対処
- 天幕の傷みをチェックする:小さな穴は早めに補修
適切なメンテナンスを行えば、パイプ式テントは10年以上使用できます。
天幕は消耗品ですが、大切に扱えば5〜7年程度は持ちます。
まとめ
イベントテントの張り方について、パイプ式とワンタッチ式の両方の手順を詳しく解説しました。
【この記事のポイント】
- イベントテントには**「パイプ式」と「ワンタッチ式」**の2種類がある
- 設営前には部品の確認、場所の安全チェック、天候確認が必須
- パイプ式テントは正しい順序でフレームを組み立て、複数人で立ち上げる
- ワンタッチテントはフレームを広げて天幕をかぶせるだけで設営可能
- 設営後はウエイト・ロープ・ペグで風対策を必ず行う
- 強風時は使用を控え、撤収を検討する
- 適切な収納とメンテナンスでテントの寿命を延ばせる
イベントテントは、運動会や地域の祭り、企業イベントなど、さまざまな場面で活躍します。
正しい張り方と安全対策を身につけて、安全で快適なイベント空間を作りましょう。
初めて設営する方は、この記事を参考にしながら、実際に作業を進めてみてください。
何度か経験を積めば、スムーズに設営できるようになります。
安全第一で、楽しいイベントをお過ごしください。

