避難所へのテント持ち込みは可能?確認方法と禁止・迷惑の注意点

避難所にテントを持ち込めるかどうかは、避難所ごとに異なります。「テントは避難所で使える」ことと「自分のテントを持ち込める」ことは、別の話です。先に確かめるのは、避難先の自治体が何を用意していて、個人のテントを認めているかどうかです。
この記事では、確認のしかた、運営側の事情、迷惑にならない使い方、持ち込めたときのテントの選び方をまとめました。
持ち込む前の確認のしかた

確認は、災害が起きる前の平時に次の3ステップで進めておきます。
ステップ1:自治体のサイトで探す
避難所運営マニュアルを公開している自治体があります。載っていれば、その記載が最優先です。
ステップ2:載っていなければ、防災担当課に聞く
聞くことは、次の5つです。
- 屋内での個人用テントの使用はできるか
- できる場合、置ける大きさ(床の広さ・高さ)はどれくらいか
- 置く場所の指定や、事前の届け出はあるか
- ペグやフレームの使用に制限はあるか
- できない場合、避難所の側が用意する間仕切り(パーティション・簡易ベッドなど)やテントはあるか
問い合わせの例文は次のとおりです。
○○小学校の避難所で、個人用のテント(床面○m×○m、高さ○m、ペグなしで自立するタイプ)を屋内で使うことはできますか。使える場合の条件と、事前の届け出が必要かを教えてください。使えない場合は、避難所の側で用意する間仕切りやテントがあるかも教えてください。
ステップ3:避難所では、運営者に断ってから設営する
避難所のルールは、避難所によって異なります。避難所では、まず運営者に使い方を伝えて、許可を得てから設営してください。
体育館の中? 校庭や屋外?

屋内と屋外では、気をつけることが変わります。
体育館・教室などの屋内
屋内では、広さと床に気をつけます。居住スペースの目安に収まる大きさにして、床を傷つけないように、ペグなしで自立するタイプを選びます。選び方は、「テントの選び方」の節にまとめました。
校庭・運動場などの屋外
屋外にテントを張るときは、風と暑さへの備えが必要です。強風対策の土のう作りと補強作業、熱中症対策の日除け(タープ)の設置などがあげられます。
避難所でテントは迷惑? 周りに配慮する6つのこと

迷惑かどうかは、テントそのものより使い方で決まります。6つに整理しました。
- 運営者に断ってから設営する。使えるかどうかと、置く場所の指定を、先に確かめます。
- 床を傷つけない。屋内では、ペグを打たずに自立するタイプを選びます。
- 決められた広さに収める。
- 高さと中の見えやすさに気を配る。高くて中が見えにくいと、運営側が避難者の状況を確認しにくくなります。
- 暑さに備える。日中にテント内が高温になることもあるため、遮光ネットの設置や冷たい飲み物の準備。
- 火気を使わない。暖房器具には、電気容量の問題や火災の危険性から使用できない器具もあります。
「妬まれる」「奪われる」が心配なとき

避難所でテントを使うと周りから妬まれないか、テントや荷物を奪われないかという不安もあるかもしれません。
できる対策
- 運営者に使い方を伝えて、理解を得ておく
- 貴重品はテントに置かず、身につける
- テントを空けるときは、家族で声をかけ合い、無人の時間を減らす
- 必要以上に大きなテントを避ける(広さに収まる大きさにする)
- 周りの避難者と、挨拶や声かけをする
- 他の人から貸してほしいと言われて困ったときは、自分で抱え込まず、運営者に相談する
持ち込めると分かったら:テントの選び方

持ち込める避難所だと分かったら、次の4点で選びます。
① 屋内で使えて、ペグがいらない
販売ページに屋内で使えると書かれているかを見ます。床を傷つけないためにも、ペグなしで自立するタイプが基本です。
② 防炎・難燃の表示を見る
「防炎」と「難燃」は別の語で、同じ意味かどうかは販売ページの表示だけでは分かりません。SG基準は、防炎型について「燃えにくいことや際限なく燃え広がらないことを意味し、全く燃えないということではない」と書くことを定めています。購入前に販売元へ確かめてください。
※SG基準とは、一般財団法人製品安全協会が定めた、一般消費者が使う製品の安全を確保するための認定基準のことです。
③ 収納サイズと重さを見る
備蓄しておく場所と、持ち出すときの重さに関わります。販売ページで、収納サイズと重量を確認します。
④ 換気と、中の見えやすさ
SG基準は、表札と、換気用・内部確認用の開口部を求めています。窓やメッシュなど、閉めたままでも換気できる開口部があるかを、販売ページで確かめます。
避難所向けのテントの例:らくらくシェルターテント

テントマーケットが販売する「らくらくシェルターテント」を紹介します。説明は、商品ページ
どんなテントか
避難所の中にプライベート空間をつくれるテントとして紹介されています。収納バッグから取り出して広げれば設営でき、重量が軽いため女性1人でも持ち運べる、と説明しています。収納するときは、丸めてゴムベルトで止めます。
屋根と入口には、ポリエステルの生地とメッシュの生地が取り付けられています。就寝や更衣のときは、外から見えないようにポリエステル生地を使い、換気や光を入れたいときはメッシュ生地を使います。ファスナーで開け閉めでき、外側からも内側からも操作できます。床面用のフロアシートもついています。
生地の機能:防炎
日本防炎協会認定の防炎製品の生地を本体に採用している、としています。屋根と入口の生地については、「本体生地は防炎認定品を使用しております」とあり、「メッシュ部分は非防炎となります」とも書かれています。
サイズと価格
サイズは2種類で、どちらも間口2.1m×奥行2.1m(4.41㎡)です。違いは高さと収納サイズです。
| 品番(間口×奥行×高さ) | 収納サイズ |
|---|---|
| RS-18(2.1m×2.1m×H1.8m) | 約80cmφ×厚み約7cm |
| RS-21(2.1m×2.1m×H2.1m) | 約90cmφ×厚み約7cm |
高さ1.8mのRS-18は、側面の高さが150cmで、天井からテントの中を確認できるため、体調不良者などの異変を見つけやすい、と説明しています。高さ2.1mのRS-21は、開放感があり、背の高い方も快適に過ごせる、としています。
詳しくは商品ページをご覧ください。
よくある質問

避難所のテントについて、よくある質問に答えます。
Q. 避難所でテントを使うことは禁止されていますか?
A. 使えるかどうかは、避難所のルールと、その時の状況で決まります。
Q. 避難所にテントを持ち込むことはできますか?
A. 避難所ごとに違います。避難先の自治体のサイトで探し、載っていなければ防災担当課に聞いてください。
Q. 避難所でも使えるテントはありますか?
A. あります。屋内で使え、ペグなしで自立し、決められた広さに収まるタイプが基本です。ただし、避難所のルールとその時の状況により変動します。また、避難先に用意がある場合もあります。
Q. 避難所に1人用テントはありますか?
A. 運営側が用意するテントの大きさや使える人数は、避難所ごとに違います。避難先の自治体に聞いてください。
Q. 避難所にテントは必要ですか?
A. 必須ではありません。自分のテントが要るかどうかは、避難先に用意があるか、足りるかで変わります。用意がない場合に備えて、持ち込めるかを平時に確認しておくと安心です)。
Q. 避難所にテントを持っていくデメリットは?
A. 暑くなる、中の様子が分かりにくい、場所を取る、発災直後は置く場所がない、といった点です。
Q. 体育館にテントを張るとき、ペグは打てますか?
A. 打てるかどうかは、避難所ごとに異なります。屋内でペグを打つと、床を傷つけるおそれがあります。ペグを使わずに自立するタイプを選び、置き方を運営者に確認してください。
Q. 1人用と2人用は、どちらを選べばいいですか?
A. 目的で決めます。着替えや授乳が中心なら、1m角前後の目隠しタイプで足ります。そこで横になって休むなら、約2m角からです。
まとめ

避難所へのテント持ち込みは、避難所ごとに扱いが異なります。「テントは使える」ことと「自分のテントを持ち込める」ことは別で、使えるかどうかは、避難所のルールと、その時の状況で決まります。
持ち込む前のチェックリストです。
- 避難先の自治体のサイトでテントの記載を探した
- 載っていなければ防災担当課に屋内での使用・大きさ・場所・届け出・避難所側の用意を聞いた
- 使える場合の条件(床の広さ・高さ・ペグの可否)を控えた
- ペグなしで自立し、屋内で使え、収納サイズと重さが分かるテントを選んだ
- 貴重品は身につけると決めた
参考にした資料
この記事で引いた公的資料・公式ページと、商品ページは、次のとおりです。
- 内閣府(防災担当)事務連絡「避難所開設当初からパーティション・段ボールベッド等の簡易ベッドの迅速な設置について」(令和6年7月4日)
- 内閣府(防災担当)事務連絡「避難所の確保及び生活環境の整備等について(依頼)」(令和8年7月28日)
- 内閣府(防災担当)事務連絡「避難所の確保及び生活環境の整備等について(依頼)」(令和8年8月14日)
- 内閣府(防災担当)「避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」(令和6年12月改定)
- 内閣府(防災担当)「避難所運営等避難生活支援のためのガイドライン(チェックリスト)」(平成28年4月。令和6年12月改定)
- 内閣府(防災担当)「平成28年度 熊本地震における避難所運営等の事例(途中経過)」(平成28年10月)
- 内閣府(防災担当)「令和6年能登半島地震における避難所運営の状況」(令和6年能登半島地震に係る検証チーム第3回資料、令和6年4月15日)
- 内閣官房 国土強靱化 民間の取組事例 No.052「テントを活用した避難所運営」
- 政府広報オンライン「【防災特集】ACTION04 避難所での生活ルール」(2026年2月9日)
- 一般財団法人製品安全協会「「避難所用間仕切りテント」SG 基準制定について」(お知らせ、2022年12月22日)
- 一般財団法人製品安全協会 メルマガ第161号「避難所生活のプライバシーを守る!避難所用間仕切りテント」(2025年1月15日)
- 一般財団法人製品安全協会「避難所用間仕切りテントのSG基準」(CPSA 0148)
- 一般財団法人製品安全協会「避難所用間仕切りテント」(SGマーク製品ページ)
- テントマーケット「らくらくシェルターテント」
